これは本当にトーチカだろうか?

トーチカ
太平洋戦争末期、米軍の上陸作戦に備え道東防衛を担当していた旧日本軍第七師団が突貫工事で築いた防衛陣地。
68年以上が過ぎた今も、市内に5基、釧路管内では6基(西庶路の海岸らしい)のトーチカが残ると言われている。
日本語では特火点と言い、語源はロシア語の『点』に由来。

…というトーチカですが、どうしても納得がいかないトーチカがあります。
いや、専門家じゃないし知識もないので自信もないのですが。

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釧路市桜ケ岡にあるトーチカ…と言えば、ネットで出てくるのはこの遺構で、
私もずっとこれが桜ケ岡トーチカだと思っていました。しかし疑問が…
・銃眼が(見当たら)無い
・形がトーチカっぽくない
・内部に空洞が多いので強度的に疑問

根室や十勝で見てきたものとは明らかに異質に感じたものですから更に調べたところ、
市民団体「釧路『負の遺産』を守る会」による桜ヶ岡トーチカについての記事を見つけました。
それによると、
・縦6m、横24m、高さ5mの掩体壕(えんたいごう)と呼ばれる大型のもの
・釧路に駐屯していた「熊部隊」と呼ばれる第七師団所属の約150人の兵士が使用
・兵士が銃を構えていたと思われる「銃眼」はコンクリートでふさがれている
・「興津の断崖に配備した迎撃用銃座に司令を下す前線基地だったのではないか」
とのことですが、ネット上で桜ヶ岡トーチカとされているこの遺構とは大きさで符合しないし、
掩体壕って??塞がれた銃眼は何処??と、増々疑問は大きくなるばかりです。

もしかしたら、桜ヶ岡トーチカはこれじゃないのではないかな~って。



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やはり高さは5mも無いようですが、埋まっているのかも知れません。
それにしても縦6mの横24mという大きさとはかけ離れてますし。



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”トーチカ”の上部にある煙突のような飾り、これもまた謎です。

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煙突中央に空いている四角い穴、何故かひとつだけ『角度』が違うのです。

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そして壁から突き出たこの二本の鉄管。

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壁を貫通しているようですが、何でしょうね。



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内部は柱が少ない空洞で、銃眼を埋めた痕跡も見当たりませんし。



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トーチカの風情を感じる通気口のような物はありますが、外部とは繋がっていないようです。


コンクリート白華が酷いので、かなり古そうなものではあります。
これもトーチカの一種で、壕と捉えるとトーチカなんでしょうかね?

よく見かける一般的なタイプのトーチカとは見た目も全然違うし、
もしかして本当の桜ケ岡トーチカは別の場所にあるのでは?
ではこれは何の遺構かな?
そもそも戦争遺跡なのかな?

すぐ近くにもう1基、炭砿の敷地内に少し小さめのものがあるので炭砿の倉庫だったりして。
と、まあ所詮素人考えですが、非常にミステリアスな物件…のように思えてなりません。

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関連するタグ : 戦跡 トーチカ 特火点
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売地にあるトーチカ

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釧路市内にある、大楽毛南トーチカ。

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このトーチカのある土地の一角には『売地』の看板がある。

調べてみると83.79坪で坪単価0.95万の価格80万、という情報がヒット。(2013/11現在)
この情報と地図上とは若干地番が違うので断定することは出来ないが、
住居表示の地番と登記簿上の地番は合致しないことはよくあるし、
土地を紹介する写真にこのトーチカが写り込んでいるので多分間違いないかと…
でもやっぱり不動産会社も違っているので微妙かも。

もし売られているのなら、の話。
これまで道東に現存するトーチカをいくつか見てきたが、
「放置されているもの」「漁具や農具などの格納庫として転用されているもの」
「整備のうえ入口を塞がれ保存されているもの」などはあっても、
「売地となっている」トーチカは珍しいのかも知れない。

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建造から68年が経過し、外壁はコンクリート白華が激しく出ているものの
内部は意外と綺麗に見える。

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今でこそ剥き出しのトーチカですが、建造当時はカモフラージュが施され、
この辺りにも多数のものがあった、と言われています。
海岸線から離れていてしかも銃眼が海の方を向いていないのはきっと、
他に多数あったトーチカとの兼ね合いでこうなった(ものが残った)だけかも知れません。

北海道のトーチカは太平洋戦争末期(1945年)、
旭川の旧日本軍第七師団が本土攻撃に備え十勝から根室にかけて連合軍の上陸地点を想定し、
敵上陸部隊に対し後方で待機している機動打撃部隊を送り込むまで水際陣地で拘束し
時間を稼ぐために急ごしらえ的に設置したもので、未だかなりの数が残っております。

釧路市内に現存するトーチカは「釧路『負の遺産』を守る会」様によると『5基』だそうで、
場所については「釧路SOE研究所」様サイトの特火点レポートを参考にさせていただき、
市内5箇所のトーチカの場所は恐らく全て把握しているかと思いますが…
図書館に行って郷土資料室に確認しても素人がわかるような資料も無く、
どこをもって5基とするかは私自身よくわかってません。

恐らくですが、下記の5基ではないかと思っています。
・「大楽毛南トーチカ」…当記事。住宅地真っ只中。
・「阿寒川沿いトーチカ(大楽毛)」…煉瓦製。阿寒川河口近く。
・「新富士トーチカ」…近日探索の予定。
・「桜ヶ岡トーチカ」…丘の上に2基、トーチカ??
(「すずらん団地」で2010年に土中から発見されたものはトーチカではないようなので除外。)
中でも桜ヶ岡のものに関しては、釧路根室十勝地方の他トーチカに比べると異質で、
かなり大型で銃眼も無く(塞がれた?)、トーチカとする根拠を調べている最中です。
「興津の断崖に配備した迎撃用銃座に司令を下す前線基地だったのではないか」
とも言われているようですが、更に掩体壕だったという情報もあって謎だらけです。
掩体壕と言えば飛行機を格納するための蒲鉾型の形状のものだと思っていましたが、
有蓋のものだけでなく無蓋のものもあり、いろんな種類があるので何ともわかりません。

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友知トーチカ

根室市友知にある2基のトーチカ
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一方のトーチカからは煙突が突き出ている
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このような突き出た煙突は、たまに見かける。
釧路市桜ヶ岡にあるトーチカ(倉庫?)もそうだった。



内部の様子
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こんなに立派な台座のあるトーチカは初めて見た。
台座の用途は何だろう。
寝床ではないだろうし、銃火器が扱いやすいから?



銃眼を外から
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銃眼から外を
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所々に残る壁のオレンジも気になるトーチカでした。

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桂木トーチカ - 2

根室市のトーチカ

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草原の中に見えますが、位置的には海岸線からおよそ200m。



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足元には崩れ倒れたコンクリート壁が転がっている。
後方連絡口には壁があったのかも知れない。



内部
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右側に銃眼がある。
壁の緑色はカビかな?



外から見た銃眼
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錆のようなものが見える。もしかして鉄が使われていた?


一つ目のトーチカは銃眼口が東側を向いていたのに対し、
こちらの銃眼口は逆、西側を向いている。

銃眼の造りも構造も、こちらのトーチカが少し複雑のようだった。


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桂木トーチカ - 1

-根室市のトーチカ群-


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大空と大地の中にトーチカ。

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内部の様子
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タイヤが。子供のおもちゃでしょうか。



銃眼の様子
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横顔
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東和田トーチカ

根室市のトーチカ。

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牧場の片隅にありました。
意外と内陸部なので、言われるまでトーチカだと気づかなかった。

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中は物置として使っていたような感じ。

…手振れとケラレで見づらいのですが、
ビニールシートと古そうな瓶が数本ありました。


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三里浜のトーチカ

根室市のトーチカ。


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何も無い砂浜に忽然と現れる。


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かつて丘の上にあったトーチカは、
地形の浸食ですべり落ちたように砂の上に立つ。


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トーチカの上にポツンと置かれた石と共に海を眺める。

当時、軍の命令でコレを作らされた方々には不謹慎な感想だが、
これまで見てきたトーチカの中で、最高にカッコイイと思った。


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大樹町のトーチカ

大樹町 内陸部のトーチカ。

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教育委員会の案内版です。
今から約70年前に構築され、使用されることなく終戦。
2008年、伐採作業中に埋まった状態で発見、ということから
発見されてまだ4年しか経過していないことがわかります。

看板で気になるのは、『大樹・広尾・浦幌』という部分。
トイトッキという地名は浦幌町のものですが、
大津海岸トイトッキ浜は、行政区では豊頃町のはず…
浦幌町にもトーチカがあるのかな?
あってもおかしくないですが。



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海岸線のトーチカに比べ大きなもののようですが、
内部の様子を見られないのが残念です。

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旭浜のトーチカ - 6

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2番のトーチカから3番のトーチカまでは約300メートル。

たった300メートルなのですが、
小石の浜に足を取られて思うように進めないのと、
朝から夕方まで砂浜ばかり歩いていて疲れが出ていたので、
目の前に見えるのになかなか辿り着かない距離…

私は最後のトーチカへ黙々と歩を進めておりましたが、
ふと見ると、同行の方はこの海辺のゴメ群と戯れ始め、
もうひと方は顔色からも疲れを窺えない様子で苦もなく歩き続け…
そんなお二人を見て気合を入れ直し、という一幕。



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限界までトリミングしてみると、
最後の目的である3・4番の向こうに5・6番のトーチカも確認出来ます。



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3番のトーチカ。

銃眼がどちらを向いていたのか、掘り起こして確認する気力もなく。



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通気孔まで砂や小石が入り込んでいました。





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この探索最後のトーチカ、4番です。



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後方出入口は埋もれかけていますが、銃眼部は露出していました。

銃眼の上には、謎のペイントが施されていましたが、
疲れていたので気にもせず、、、

ただ、旭浜8連トーチカをコンプリートしたことに満足を憶えるのでした。

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旭浜のトーチカ - 5

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旭浜の8連トーチカ、6・7・8・5番と見てきましたが、
車での移動後、やってきたのはまず2番のトーチカ。

200メートルほど向こうにある1番のトーチカも見えます。



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カモフラージュのために草を植えたのか、
かつて浸食する前は丘の上にあり沈む過程でいつしか草が乗ったのか、
専門家じゃないので全く想像がつきません。

ただ、約70年前のトーチカ、
浜辺にうちあげられたように陸から孤立して何年経つのかはわかりませんが、
雑草の強さには計り知れないものを感じます。
水分など、海からの恵みがあればこそでしょうか。

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位置的には旭浜最北のトーチカ、1番です。

2・1番共、あまり埋もれてなかったのですが、
造りが似ていたせいか、もしくは疲れていたせいか、
内部の写真がありません。

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次回、3番・4番の『ほとんど砂に埋もれたトーチカ』を紹介して
"旭浜8連トーチカ"の記事を(今年は)終わりにしたいと思います。

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